2008年2月 ARCHVES
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僕は基本的にガイドブックを読まない。
「情報に縛られるのが嫌なんですよ」
と恥ずかしげもなくカッコつけて答えたことがあるが、結局のところ、ガイドブックの細かい文字を読むのが面倒くさいだけなのである。
しかし、基本情報くらいは頭に叩き込んでおいていいと思う。
と言っても、全ての国のガイドブックを持っていくのも面倒なので、図書館で読むことにする。
それは虫の知らせだった。

インドにビザが必要なことを今さらながらに知ったのである。
事前にビザ申請が必要な場所にマーカーをつけてもらっていたのだが、インドは入ってなかった。
自分で調べなかった罰があたった。
焦ってインド大使館に電話をする。
1日でビザ発給可能。
危ない。危ない。
いきなりセカイサンポが延期になるところだった。

昔、中国にビザが必要だった頃、上海行きのチケットを貯まったマイレージで予約したことがある。
前日に送別飲み会をしていただき、その場でビザが必要なことを知り、ビザを取得していなかった僕の中国行きは中止となった。
僕の大ボケ具合に飲み会は盛り上がったが、僕自身は盛り下がった。
危うくその二の舞いになるところだった。

チホが僕の出発に向けて送ってくれた言葉。
「油断しない!
いい気にならない!
思いやりの心を忘れずに!」
いよいよセカイサンポはじまります。

[ UPDATE : 2008/02/29 ]
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キムタクがCMしている新聞である。
オールカラーの新聞である。
その名もSANKEI EXPRESS。
ここに月1回のイシコ連載が始まる。
しかも見開き。
しかもタイトルは「セカイサンポ」。

この仕事を持ってきてくださった産経新聞の田窪氏はチホの高校の先輩である。
僕が経営会議で怒られたブログを読んで、彼女は心配をしたそうだ。
僕にではなくチホに。
「このままではチホにまで影響が及んでしまう。
少しでもイシコに仕事を与えなくては…」
彼女は社内で動いた。
そして連載が決まった。

六本木の渋い喫茶店で打ち合わせ。
「イシくん目線の街角スケッチでいいから」
「はぁ」
「ゲラチェックはホテルへのファックスでいい?」
「はぁ」
「プロフィールと写真は出発前に送っておいてね?」
「はぁ」
全て生返事になってしまう。

生返事の理由は、この大きなページに連載する実感がわかないこともあるが、それより、この連載仕事をサクッと持ってくる彼女はいったい何者なんだろうと考えてしまう。
普段、飲んでいるときの姿しか知らないと、時々、こういうことが起きるわけで。
だからと言って、普段、呼んでいる「おうこさん」を改め、「田窪さん」と呼び方を変えるわけにもいかない。
そして、いつものように飲みに行くわけで。
というわけで3月より、毎月第四火曜日の連載が始まります。

[ UPDATE : 2008/02/28 ]
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大好きな映画「俺たちフィギアスケーター」を彷彿させるタイトルである。
「俺ら」や「僕たち」なら馴染みもあるが、「俺たち」という、なかなか使わない複数形。
そこに長島茂雄の名言「わが巨人軍は永久に不滅です」でしか聞いたことのない「永久」という言葉。
しかも英語。

こんなタイトルを思いつく方は只者ではない。
英語学習でお世話になったアルクの飲み会で望月氏から飛び出した。
昔、彼は、某有名バンドのギターリストだった。
そんな彼のバンドブームの頃の話。
当時、様々なライブハウスの動員記録を塗り替えるバンドで活躍していた。
そのバンドの曲に「俺たちForever」があった。

ギターリストの望月氏がつけたタイトルではなく、ヴォーカルの方がつけたタイトル。
「恋愛の曲に思えるでしょ?
でも、自分達のバンドのことを唄った曲なんですよ。
ちょっと気持ち悪くないですか?
えっ?俺たち…、フォーエバー…ですか」
結局、そのバンドは解散したそうだ。

ふと思ったのだが、某カードのポイントのコピーに「永久」という言葉が使われていた気がする。
まぁ、今さらどうでもいいか。
ともかく英語学習は永久に続けようと思う。
アルクさん、今後ともよろしくお願い申し上げます!

[ UPDATE : 2008/02/27 ]
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玄関先で、「だるまさんが転んだ」の鬼になった気分で振り向いた。
ありえないのだが、ひょっとしたら、出掛けている間に誰かがひょっとしたら荷物を増やしているのではないかと思ってしまったのである。
物が減らないのである。

家具は骨董品屋が、家電製品はリサイクルショップが、文庫本やCDは古本屋がやってきては僕の部屋から様々な物が消えて行った。
トランクルームにもかなりの物が移送され、ゴミ袋はここ1、2週間で、30袋以上は巣立っていった…はずである。
しかし、物が減らない。
逆に増えているような気にさえなる。

玄関のチャイムが鳴る。
「イシコさ~ん、お届け物で~す」
ドアを開けると段ボールの山が…。
セカイサンポのお土産に持っていく為に制作したビジュアルブック。
3000部も刷ってしまった自分を恨んだ。
部屋に段ボール箱が運び込まれるのをじっと見つめるのであった。

[ UPDATE : 2008/02/26 ]
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築30年以上は経っていた。
「小具荘」という絵に描いたようなボロボロのアパート。
20代の後半、僕はそこに住んでいた。

ボロボロだが、キッチンとは別に2部屋あり、いろいろな人が泊りにやってきた。
狭い空間に10名近く寝泊まりしていた時期もある。
つま先で雑魚寝している人をかき分けながら、トイレに行ったのを覚えている。
そんな中でもよく泊っていたのが舞台俳優の吉田メタル氏だった。

泊っていたというか、結局、彼は2年近く僕の家に住んでいた。
その後、大家さんの建て替え希望で立ち退くことになり、別々のアパートで暮らし始めた僕らは、ほとんど会うことがなくなってしまった。
あれから10年。

ご存知の方もいらっしゃると思うが、昨年、彼は女優の岩崎ひろみさんと結婚し、子供を授かった。
親子三人と下北沢でひっそり飲む。
奥様は女優以外に、レポーターとしても活躍し、様々な旅を体験している。
アルゼンチンに1ヵ月住んだ話、スーダン、コンゴなどアフリカの裸族に会いに行った話、スゥエーデン、ノルウェーと北欧オーロラ三昧の話など未知の世界に僕の焼酎のピッチもあがる。

某旅番組でタイの猿に会いに行った際、彼女は体調を崩したそうだ。
彼女がいないと番組は成り立たない。
延期すればいいというわけでもない。
彼女は持ち前の明るさと気力で乗りきったそうだ。
旅を仕事にするということの厳しい一面である。

それでもやはり旅は楽しいのである。
いつか親子三人でセカイサンポに合流してほしいものである。

[ UPDATE : 2008/02/25 ]
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セカイサンポの移動はほとんどが飛行機である。
旅慣れしている人からすると、これは旅じゃないと見える部分もある。
彼らからすると長期間の旅の場合、行く前から全てのスケジュールが決まっているなんてありえないのだ。

自分が気に入った場所は長くいる。
気に入らない場所は、2,3日ですぐに移動する。
そういった判断が旅の楽しみでもあり、自分が見えてくることもある。
思い立ったらすぐに移動できる陸路のメリットもここにあるとは思う。

「イシコはきっと途中で気に行った場所ができたら、世界周遊券の飛行機チケットを破って陸路にしちゃうよ」
「いきなり最初のインドだったりして。フィンランドに行ってから、またインドに戻ってきたりしたら最高だよね?」
壮行会的な飲み会でみんなが僕にそんな旅を期待する。
しかし、今のところ僕はスケジュールの方を優先させると思う。
軟弱なのである。

「男気を感じないですね」
壮行飲み会で、初めてお目にかかった舞踊家の方に言われてしまった。
初めてお目にかかった人だからこそ僕の本質が見えるのかもしれない。

「男だからとか、女だからとかじゃないですよね?あなたにはそれが見えないんですよね」
つまり男っぷり、女っぷり、それぞれにプライドというものがあるはずなのに僕には見当たらない。
「それって人としてどうなんですか?」
とまで言われてしまう始末。

人としてのプライドがない。
昔、ゲームセンターにあった前世占いを試したときのことを思い出す。
チホはイギリスの貴族と出てきたのに、僕は、ミトコンドリアだった。

[ UPDATE : 2008/02/24 ]
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先月、スリランカで絵本作家の五味太郎氏から
「お前、今が勝負だなぁ」
と言われたことが妙に頭に残っている。
五味さんとの会話はいつも軽い雰囲気なのに、何故か深く残ることが多い。

代々木上原の蕎麦屋で食事をする。
「表現って時空間が飛ぶから面白いんだよなぁ。
文章も同じだぞ。
時系列に書くことはないんだよ。
もっと自由に飛んじゃっていいんだからさぁ。
もっと飛べ!飛べ!」

〆張鶴の純米酒の酔いが一気に冷めた。
いやまわったのかもしれない。
頭の中に何かがぐるぐる廻っている。
ただ単に血の流れが速くなっただけなのかもしれない。
そして、五味さんは会話を続けた。
「とにかく本を出せ!
何としてでも10冊出せ!
そうするとまた違った角度の自分が見えてくるから」
2年前に依頼された本も書きあがらず、未だ1冊も出していない僕にとって10冊という山はエベレストより高く感じる。
五味語録が、今日も僕の頭に差し込まれた。
次回の差し込みは4月のロンドンになりそうである。

[ UPDATE : 2008/02/23 ]
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「シアターガイド」にて連載打ち合わせ。
北京で観たシェイクスピアのように、地元では当たり前だが、日本人にとっては理解不能な演出に出会うことも楽しみの一つである。
打ち合わせの中で、どこまでを演劇と考えるかという話になった。

例えば東欧にあるようなコンテンポラリーダンスはどうするか?
オッケー!
例えばバリ島のケチャのような民族芸能はどうするか?
オッケー!
例えばインドやモロッコのような大道芸はどうするか?
オッケー!
要は演じている人達を観るというスタンスの物は全てオッケーにしようという話になった。

そう広く考えたとしてもセネガルなど西アフリカは想像さえつかない。
「情勢が不安定な場所程、演劇というものは発展していくことが多いんですよね。南アメリカのように」
鈴木編集長のつぶやいた言葉には重みがある。
鬱積した何かを表現する術として、演劇というのは適しているのかもしれない。

WEBでは月2回の更新、雑誌には編集部宛の僕からの絵葉書がそのまま掲載される。
本誌とWEB連動の面白い連載になりそうである。
僕のへたくそなイラストも雑誌デビューとなる。…だろう。

[ UPDATE : 2008/02/22 ]
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暖かい時期を狙って旅に出たい。
それによって荷物の量が明かに変わる。
しかし、ヨーロッパは日本より春の訪れが遅く、アフリカも意外に寒かったりする。
そう考えると一応、今回の旅も寒さ対策をしておかなくてはならない。

最初の難関は出発から3週間後にやってくるインドからフィンランドへの移動。
本によると3月のヘルシンキの平均気温はマイナス1度。
インドとの温度差は30度以上になるのではないだろうか。
とはいえ、コートを持っていくのは現実的ではない。
できる限り重ね着で対処していきたい。

東京タワーで開催中のスカイシップの展示会に向う。
スカイシップは、現在、3つのブランドを取り扱う輸入商社である。
中でもスゥエーデンブランド「フディーニ」のデザインが僕は大好きである。
このインナーブランドは高素材で温かい。
重ね着にはもってこいである。

佐藤社長がセカイサンポ用に衣装をタイアップしてくれるそうだ。
「イシコ、また、もらおうとしているの?」
周囲の目が冷たい。
わかっています。
僕だって暖かくなるところ、暖かくなるところを狙って旅をする遊牧民のような旅を目指したいのです。
でも、一都市一週間の旅ではなかなかうまくいかないのです。
と言い訳にもならない言い訳をうだうだ述べるのであった。

[ UPDATE : 2008/02/21 ]
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「会社の運営資金が不足しているというのに、どうして、いいホテルに泊まろうとしてるんすか?
今の経営状態で言ったら、ホテルのランクをもっともっと下げないと旅は続けられませんよ!」
経営会議でお世話になっているサンクチュアリ出版鶴巻社長は、少々、怒り気味で言った。
ホワイトマンプロジェクトの会社の資金繰りは、かなり深刻なようである。
「なようである」と自分の会社なのに他人事な時点で推して知るべし。
会社を持つ資格なし!

その後に観た芝居が「執事ホテル」というのもなんとも皮肉な話である。
こんな魅力的なスタッフのいるホテルに僕も長く滞在してみたいなぁと思う。
芝居を楽しみながらも、経営会議で突きつけられた数字が頭をよぎり、このホテルの値段を気にしてしまう。
きっとこのホテルだと1泊5万以上は軽くするんだろうなぁ。
セカイサンポの今の資金繰りでは絶対、無理だなぁ。
架空のホテルなのに、滞在を想像しては、ため息をつく。

もちろん、5つ星ホテルのようなホテルだけでなく、ワシントンホテルや東横インのようなビジネスホテルも嫌いではない。
子供ショーで全国を旅していた頃は、ビジネスホテルに滞在することが多かった。
機能的で居心地がよく、ショーが終わっても、2,3日程度、延長して観光することも多々あった。

カプセルホテルのような秘密基地に潜りこむ感覚も嫌いではない。
下北沢で飲んだ後、電車で10分もかからない自宅があるにも関わらず、カプセルホテルを堪能することもある。
サウナに入り、缶ビールを持って、宇宙飛行士になったような気分でカプセルのベッドに潜りこむ感覚はたまらない。

知人宅に泊まり、毎晩、飲みながら、雑魚寝する学生生活のような感覚も好きである。
沖縄に行くとお世話になっている知人宅では、いつもソファでそのまま眠ってしまい朝を迎えていた。
アルコールが身体にしみわたった頃、人の声を聞きながら、まどろんでいく感覚が大好きだった。

とにかく宿泊生活が好きなのである。
セカイサンポは、様々な宿泊場所に泊まるだろう。
ときには知人宅のホームステイ、ときには安い宿、ときには4つ星以上のホテル(今日の経営会議の状況で極力、減らしますが…。もっと営業がんばります!って誰に向って言っているんだろう?僕自身?)と様々な宿泊を楽しんでいければと思う。
経営会議時にサニーサイドアップ松本氏が提案していたテント生活だけは今回は遠慮させて欲しい。

と「執事ホテル」に出演していた福山氏と飲みながら、ホテル話で盛り上がるのであった。
しかし、彼は旅、つまりは宿泊生活があまり好きではないらしい。
そんな彼が今回、演じる役がホテルの支配人というのもこれまた笑える。

[ UPDATE : 2008/02/20 ]
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