2007年12月 ARCHVES
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先日、ヨーロッパ在住の知人の歯が痛くなり、あまり行きたくなかったのだが、仕方なく海外の歯医者初体験に向ったそうだ。
先進国の歯医者なんだからと自分に言い聞かせながら。
受付の場所から、ちょうど治療中の子供の様子が見えたそうだ。
その子供の歯には糸がついていた。
糸を目で追っていくと、糸の先はドアだった。
何と歯を抜いていたのである。
彼女は、その場から立ち去ったそうだ。

確かに僕が子供のころ、ドアでグラグラの歯を抜くということは日本の家庭ではあったが、少なくとも今こういった治療をする歯医者が日本に、あるとは思えない。
もちろん、彼女の行った歯医者がたまたま特別だったのかもしれない。
ただ、先進国でさえもそういった歯医者に出会う可能性があるとしたら、他の地域で歯が痛くなったらと思うと、あまり想像したくない。
昔、インドの大道芸人を紹介した写真集の中に、何故か歯医者も混じっていた。
歯医者と呼ぶこと自体がおかしいのかもしれないが、地元では歯医者と呼ばれているようである。
ただ彼の道具はペンチ一つ。
虫歯を治療するのではなく、虫に食われた歯はどんな歯でも抜きますよというものだった。

考えれば考えるほど恐ろしい。
そこで僕は、最後の親知らずの歯を抜いてからセカイサンポに出掛けることにした。
気が小さく、痛みに弱い僕は、親知らずを抜くためにいろいろな工夫をしてもらった。
少しずつ上の方を削ると、自然に歯並びを合わせようと歯の根っ子が少し浮いてくるそうだ。
数か月やった結果、本当に物の見事、麻酔後、1分足らずで楽に抜けた。
楽に抜けた分、その後、腫れたり、熱が出たりすることも少ない。
抜いてから、ふと思った。
世界の抜歯の最先端は実は、ドアで歯を抜くことという研究結果が出ていたりして。

[ UPDATE : 2007/12/29 ]
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写真は僕じゃないんですけどね。
誰?知らない。
北京で出会った中国人
とにかく、母の葵ちゃんからの電話で僕は気づいた。
「あんた身体は弱いんだから、今年の冬はインフルエンザの予防接種しておきなさいよ」
アレルギーや小児喘息など身体の弱い僕に悩まされた母は、僕の体調を未だに気にすることがある。
「インフルエンザの予防接種なんて受けたことないからなぁ。あっ。そうだ!忘れてた~」
会話の途中にも関わらず電話を切ると、インターネットで東京検疫所の番号を出し、そのままダイヤルした。
予防接種の予約をしたのである。
インフルエンザではなく、黄熱病の。

今回、セカイサンポの第一弾のルートには、ギニアが入っているのだが、この国はビザを取得する際、黄熱病の予防接種証明書の添付が必要になる。
しかも黄熱病の予防接種後、1か月は他の予防接種ができないので、どちらにしても早めに済ませておいた方がよさそうである。

こうして観光客で賑わうモノレール「ゆりかもめ」に乗り、東京検疫所に向った。
「ポンセ様~」と外国人が日本で予防接種を受けるという考えてみれば当たり前のことに、新鮮に驚きながら、受付で記入用紙に既往症や旅の日程、行く国などを書き込んでいく。
旅の目的欄で
「冒険って…」
とつぶやいてしまう。
観光、ビジネスに混じって、「冒険」という項目がある。

「冒険」の定義って何だろう。
僕の中ではネッシーを探しに行くとか、金を掘り当てにいくとかそういったことしか思い浮かばないのである。
ひょっとすると冒険だとワクチンが変わったりするのだろうか。
登山も冒険なのだろうか。
バックパッカーは冒険なのだろうか。
いろいろ妄想が膨らみ、妄想が暴走し始めた頃、名前を呼ばれた。
結局のところ僕は観光にしたのだけれども。

イシコメモ
●東京検疫所の予防接種の時間は曜日と時間が決まっていて、しかも要予約。
●予防接種により値段はまちまちであるが、黄熱病の場合、東京検疫所では8530円(2007年情報)。 すべて収入印紙で支払わなくてはならないので注意。
●熱があると予防接種してもらえないので、その前の体調管理にも注意。
●予防接種をした日は、酒、運動は禁止。風呂はいいらしい。ただ、温泉等でじっくりというのはダメみたいである。東京検疫所の隣に大江戸温泉があるので、入ってから帰ろうと思ったが、お風呂はご自宅で入るようにという検疫所の張り紙を見て断念。というか笑ってしまった。

[ UPDATE : 2007/12/28 ]
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郵便と聞いたら何色をイメージするだろう。
日本の郵便ポストからイメージすると間違いなく赤色である。
では世界のポストは何色が多いのだろう。
今まで旅の中で出会ってきたポストを思い浮かべてみる。
2か月程前に行ったクアラルンプールのポストは赤だった。
となるとやはり赤が多いのか。

待てよ。ヨーロッパで黄色だったこともある。
待てよ。オーストラリアでは青色だったような気がする。
待てよ。ラオスでは土のポストだった。
しかし、中国は緑色のポストである。

思えばそれが北京の街で郵便局がなかなか見つからなかった理由である。
僕の頭の中に郵便=赤というイメージが強く、緑というイメージがどうしても結びつかず、街を歩いていても自然に赤い建物を探していたのだと思う。
国旗といい、天安門といい、中国の色ともいえる赤が頭の中にしみついていることもあったのだろう。
しかし、よくよく考えてみれば、そのポストの色がそのまま郵便局のイメージカラーなのである。
ということは、中国の郵便局の色は緑。
そうインプットしなおしてから、1時間もしないうちに郵便局に出会うことができた。

中に入ると案内人の女性が立っていた。
日本の銀行に入ると立っている案内人のような役割なのだろう。
僕は、「日本」という漢字が書かれた絵葉書を見せる。
彼女はすぐに理解したようで、にっこりして、すぐに窓口へ案内し、係の女性に中国語で指示を出していた。
彼女から出てきた川の上を鳩が飛んでいる切手には4.5元(約72円)と書かれていた。
切手代を支払い、そのまま日本の自分宛の絵葉書をポストに投函した。
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イシコメモ
歩道側は緑だが、道路側を見ると赤という二色に塗り分けられたポストもある。

[ UPDATE : 2007/12/26 ]
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英会話学校のポスターが地下鉄では、よく見受けられる。
特に地下鉄13号線の駅などは、ホームの場所を独占し、すべてが英会話のポスターで埋まっている。
オリンピックがきっかけになっているのは言うまでもない。
オリンピック開催時のボランティア通訳、日本語、韓国語、そして英語は既に締め切られたそうだ。
それだけ英語が話せる中国人、または英語が話せる外国人が多いということである。
キューバと同じように中国なる社会主義の色が濃い国と英語というのが僕の固定概念の強い頭の中ではイマイチ結びつきにくい。
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それにしても、このポスターは、僕にとっては衝撃的である。
きっと「絆」を表現しようとしているのだろうが、あまりにも直接すぎる。
直接すぎて、逆に新鮮にさえ思える。
そのうち、
「あなたが英語を話すまで離しませんよ」
とスパルタ教育のポスターに見えてくる。
もっと、見つめていると
「一度、この学校に入ったら離しませんよ」
という怖いメッセージにも見えてくる。
日本の英会話学校の度重なるニュースの反動であることは間違いない。
次第に、恐怖のポスターに見えてくるのであった。

[ UPDATE : 2007/12/22 ]
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昔、子供ショーで全国の幼稚園を回っていたことがある。
そのとき幼稚園児が使うトイレの小ささにいつも驚かされていた。
同じく仕切りの低さにも。
子供達が便器の中に落ちてしまったとき、上から先生達が助け出せるようにトイレの仕切り壁はあえて低く創られていたのである。
まさか北京の公衆便所で仕切りの低いトイレに遭遇するとは。
まるで紀元前の貴重な遺跡でも見つけたかのように、その日の晩の飲み会で鼻息荒く伝えたのだが、
「それはまだいい方ですよ」
現地在住の日本人にあっさり言われた。
仕切りのないトイレもあるらしい。
それから何日も何日も僕は、公衆便所に入る度に仕切りのないトイレを探していた。

僕のようにトイレが近い人からすると中国はトイレ天国である。
街を歩いていれば、たいてい公衆便所はすぐに見つかる。
僕の旅生活の中でここまで街に公衆便所が建ち並ぶ街って、ないような気がする。
北京市内の公衆便所の密度は世界的にみても1,2位を争うのではないのだろうか。
少し街の裏手の小道に入ったトイレで用を足しながら考察していた。
ズボンのチェックを上げ、ふと後ろを振り返り、大便用のトイレを見てみる。
二度見である。
パッと見ると便器の場所が足を入れる場所かと思ってしまう。
間違いなく便器が並んでいる。
ここに並んで用を足すのか?
確実に二人並んで用を足せば、隣の人の足と当たるのではないだろうか。
当たるくらいですめばよいが、下手をすれば、足を譲り合って用を足さなければいけないのではないだろうか。
しばし、便器を見つめ悩んでしまうのであった。
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[ UPDATE : 2007/12/22 ]
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若者達が整列させられている。
最近の中国では茶髪の若者も珍しくはない。
金髪の自分を棚にあげて言うのもなんだが、やはり茶髪が並んでいると素行を注意され、怒られているように思えてしまう。
人が怒られているのは決して気持ちイイものではないが、どうして怒られているのかは確かめたくなってしまう。 
何気なく近くまで歩いていくと、みんなで声を揃えて、叫び始めた。
怒られているのではなく、彼等は美容師で、一日のはじめに店の前で気合いを入れるために整列していたことを知る。
彼等の号令を聞いているうちに髪の毛を切りたくなった。
北京に到着した日から、美容室に入ろうとは思っていたのだが、どこかでふんぎりがつかなかったのだ。

店の扉を開ける。
みんなが金髪の僕を奇異の目で見る。
それにしてもやたらとスタッフが多い。
日本のヘアサロンでも人が多いなぁと思うときがあるが、間違いなくそれ以上の数である。
そして誰一人として英語がわかる人がいない。いてもまぁ僕の英会話力では通じないのだが…。
こんなときは、ボディランゲージに限る。
人差し指と中指ではさみのマネをして、髪の毛を切る仕草をする。

すぐに通じたようで、カウンターで荷物を預けて、エンジ色のシャンプー用のクロスを着せさせられ、洗面台に連れてかれる。
日本と同じようにアシスタントのような方が丁寧にシャンプーをしてくれる。
その後、鏡台の前に座り、白いクロスを上からつけ、どんな髪型にしたいかを尋ねられる。
というか中国語なのでわからないが、きっとそう言っているのだと思う。手で両サイドを切る仕草をする。
通じたようで、指で髪の毛の長さを表し始めた。もうここまで来たら何でもいい。
そもそも彼が指で記す長さも僕にはあまり違いがわからない。
とにかく「イエス」と何度も英語で答える。

彼は鋏を持って切り始めた。
彼はハサミを回すのが癖のようである。
鉛筆回しのような感じでハサミを回すのである。
どうやら彼のリズムになっているようで、何回か髪の毛を切ってはくるりとハサミを回す。
途中でアシスタントに店内のBGMの催促をしているようだ。
なぜかユーロビートの曲が大音量でガンガンかかる。
ハサミはいつしか、すきバサミに変わっていた。

ピアスをたくさんつけた金髪の女性スタッフが出店してきた。
明らかに僕を切っていた美容師のリズムが変わった。
間違いなく彼女のことが好きである。
理由はわからないが何故かピンときた。
彼の彼女に対する目つき。落ち着かないのである。
早く僕を終わらせて、彼女と話したいオーラを感じるのである。
髪の毛を切った後、洗髪をするのかと思いきやドライヤーですべての髪の毛を吹き飛ばし、最後にジェルで髪の毛を整え、手鏡でチェックさせ終了。
68元(1100円程度)を支払い、追い出されるように僕は店を出た。
店に入ってから出るまでに30分もかからなかったのではないだろうか。
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[ UPDATE : 2007/12/19 ]
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考えてみれば今まで、たいてい街を散歩していると映画館に出会った。
観ようと思ったのではなく、映画館に出会ったから観てみたという方が多かった。
しかし、いざセカイサンポを始め、映画館を探そうと思うと意外に見つからなかったりするものである。繁華街に行けば、あるのかなぁと思うが、そうとも限らない。
特に近年のようにシネコンが多くなると繁華街から離れた郊外にできていることも少なくないし、ショッピングセンターの中に埋もれてしまっていることも多い。
今回の北京では2日程、街を散歩していたが映画館に一度も出会うことがなかった。
これで見つからなかったらホテルのコンシェルジュに聞こうかなぁと思っていたのだが、その日の晩、中国に留学中の方々と飲む機会があり、彼等の大学近くの映画館を教えていただいた。
チケット売場でガラスに張られたフライヤーを指さす。
僕が指した映画は携帯電話をテーマにしたオムニバスの中国映画。50元(約800円)を支払い、パソコンの画面に映し出された座席を選ぶ。
受付のおじさんは中国語、僕は日本語。
何とかなるものである。

70名程度の小さな劇場は指定席。
チケットを見ると5排4号と書かれている。
「排」が「列」で「号」が「番」という意味なのだろう。
始まる寸前まで、お客さんは僕一人だったが、スクリーンでスバルの車のCMが始まった頃、女性2人組のお客が入ってきた。
 映画が始まる。
中国は小さな民族も入れると200近い言葉があるらしいが、基本的に北京語が標準語とされ、スクリーンには北京語の字幕が出る。その字幕の下に英語の字幕も出る。
演劇のところでも書いたが、僕は英語の勉強を始めたばかりなので、1,2割しか理解できていない。
それでも、ストーリーを想像するには、少しは役に立つ。
その前に読めないのである。
文字が小さい?
いや、多少、小さいのかもしれないが、2.0の僕の目にはハッキリ見える。
文字が消えるのが早いのである。
まだI standしか読んでいないのに、もう消えてしまう。
なんだか記憶テストをしているような感じである。
「字幕を読ませる気ないだろ!」
と突っ込みたくなる。

しかし、人間とは適応能力があるもので、だんだん読めるようになってくるから不思議である。
速読とか速聴とかはこうしてやるのかとさえ感心してしまう。
映画自体は面白かった。
次、中国に来た時はハリウッド映画を観たいものである。
しかし、中国では、ハリウッド映画の上映を見かけない。
あくまで噂だが、著作権的なことが原因らしい。
ただ、アメリカでも上映が始まったばかりの映画が、既に中国でDVDが売られていると言う。
もちろん海賊版である。
恐るべし中国。
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イシコメモ
●ミニシアターの入口はとてもこれが映画館とは思えない。
●その後、散歩中にいくつか映画館に出会った。

[ UPDATE : 2007/12/18 ]
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結局、1週間、街を散歩していて公衆電話を使用している人を見たのは1度だけだった。
北京の携帯電話普及率が高まっていることの表れなのかもしれない。
ただ僕らツーリストからするとまだまだ公衆電話は使いたい機器ではある。
しかし、中国の基本的な公衆電話はコイン式ではなく、プリペイドカード式のみである。
確かにプリペイドの方が便利なこともあるが、コインで電話をかけたいときもある。

そもそもツーリストにとっては、プリペイドカード式はイマイチ実用性が薄い。
そんな高くはないとしても、かなりの度数が余ることを最初から覚悟して買うのは少々、抵抗がある。
それにプリペイドカードを手にいれなければならない。
ということは販売している場所を知らなくてはいけない。
たいていはキオスクのような場所で売っているのだろうが、そこでのやりとりをするのがこれまた面倒である。
よって、僕は煙草屋やニューヨークのデリのような店に置いてある使った分だけ店に支払う方式の電話を使っていた。

「公用電話」という札が目印で、アイスクリームのケースの上に赤色や黄色の電話がむき出しで置かれているのですぐにわかる。
ほとんどの店員は英語も日本語も通じない。
電話をする仕草をしながら、
「電話貸してください」
と日本語で言って、受話器に向かえばたいてい問題ない。
通話を開始すると液晶に現在の通話料金が表示される。

たいてい相手は携帯なので、通常の家にかける電話使用料より少し高いかもしれないが、それでも3分程度の通話で、5毛(1元の半分で約8円)だった。
呼び出し電話のある寮や下宿先にいるような感覚である。
違うのは横で、若い子達が中国語で話しながら、買い食いをしていることが多い。
次第に大阪の立ち食い串カツ屋で電話しているような気持ちになる。
思わず通話が終わると
「おばちゃん、なんぼ?」
と下手な大阪弁で聞きたくなるのだ。
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[ UPDATE : 2007/12/17 ]
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「大地の子」で主人公の父親を演じた朱旭という俳優を覚えているだろうか。
と書いている本人が、大地の子を観たことがないので、覚えているだろうかという言い方は正しくない。
ご存知だろうか。
何やら中国で有名な舞台俳優で、国家一級俳優なのだそうだ。
どれくらい偉いのかはわからないが、一級というからにはとにかくものすごくイイ俳優なのだろう。

その彼が所属する劇団のホームグラウンドが首都劇場なのだそうだ。
シェイクスピアを上演中とのことで観に行くことにする。
チケットは80元(約1280円)から500元(約8000円)の席まで5種類程度のチケットがある。
ちょうど200元や300元くらいの真ん中の値段のチケットは全て売り切れ。
500元の席と80元の席しか残っていない。
中国の平均のお給料が、4万円程度から考えると500元の席というのは、すごくいい席なのだろうから味わってみたい気もするが、言葉もわからない芝居で、一番、高い席というのも抵抗がある。

結局、80元の席を選んで中に入る。
一階の一番後ろの席だったのだが、意外によく観やすい劇場である。
客席は、文化度の高そうな顔つきの中国人で埋まっている。
古い劇場なので暖房がきかないのか、コートなど上着を着たまま観劇しているのが印象的である。
もちろん僕もコートを着たまま観劇する。

シェイクスピアだから何となくわかるだろうと高をくくっていたのだが、僕が知っているのは「真夏の夜の夢」、「ハムレット」、「ロミオとジュリエット」くらいだったことに気付いたのは席についてからだった。
高をくくるなど100年早かったのである。
上演中、字幕も出るのだが、勉強を始めたばかりの僕の英語力では理解できない。
何よりずっと字幕を読んでいるだけで舞台を観ることができない。
諦めて舞台だけに集中し、役者の表情などを楽しむことにする。

ちょうど群集劇のシーンになった。
どうやら戦闘シーンのようである。
全て劇団員なのだろうか。
70名程度の人達が一気に槍を持って登場した。
さすがは中国。
一大スペクタクルと言いたいところだが、何かがおかしい。

主人公クラスの俳優は甲冑もつけ、キチンとしているのだが、アンサンブルの人達は上着こそ衣装なのだが、下半身はどう見ても自前なのである。
ジーンズの人もいれば、チノパンの人もいる。
斬新な演出なのだろうか。
様々な妄想が膨らむ。
靴はさらにすごい。
ハイヒールを履いている女性までいる。
戦闘シーンでハイヒールは履かないだろう。
ひょっとしたら戦闘シーンでなく、デモのシーンなのか?
謎は深まる。
しかし、このアンサンブルのやる気のなさ。
アルバイトなのではないだろうかとまで想像させてしまう。
もし、俳優だとしたら彼等は何級なのだろう。
結局、最後まで何を上演していたのかわからなかった。

ちなみにフライヤーには英語のタイトルで
「TRADEDY OF CORIOLANU」
と書かれている。
どなたかわかる方教えていただければ幸いである。
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[ UPDATE : 2007/12/16 ]
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北京駅にいた。
日本でいうところの東京駅。
東京駅でいうところの丸ビルあたり。
一つの大きな看板を見つけた。
「足欲」
下には英語と日本語と韓国語が書かれている。
「フツトマツサニヅで健康になろう」
「ジ」と「ヅ」は似ているからねと労をねぎらいたくなる。
でも、「-」と「二」は棒の数が違うんじゃないのかなぁと優しく聞きたくなる気もする。

ここまで気になると入ってみたくなる。
フットマッサージは80分で98元(約1600円)。
4人部屋に通されると行商っぽい中国人二人組のお客がマッサージをしてもらっている最中だった。
その隣の椅子というか最初から倒れたままのリクライニングシートに座らせられる。
桶に入れられたお湯に足をつけさせられる。
通常のフットマッサージと一緒である。

違うのは足湯の溶液。
どろどろの液なのである。
大根おろしの中に足を突っ込んでいるような感覚が新鮮である。
マッサージ師の脇に入れた入浴剤の空袋が置かれていた。
空袋を取って見てみると「欲足水晶泥」と書かれている。
そこに書かれた絵から大根おろしでないことだけは確認できたのだが、その正体はわからなかった。
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その部屋にいるスタッフもお客も誰一人として英語も日本語も全くできないのだから。
それでも僕の金髪について、隣の客や隣のマッサージ師と話しているのだろうというのが何となくはわかるのが不思議である。
僕についたマッサージ師は携帯電話を取り出し、親指でボタンを押し始めた。
画面に「東京」という漢字を出し、僕に見せた。
僕が笑ってうなずく。
その途端、部屋が盛り上がった。
うなずいただけでこれだけ盛り上がるなんて、今まであっただろうか。
村の長老が決断をくだしたときの雰囲気はこんな感じなのかもしれないと思った。

[ UPDATE : 2007/12/15 ]
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